サプリメントアドバイザーの児玉晃典です。
前回に引き続き、
なぜサプリメントをお勧めするかについて話をしていきます。
ビタミンは人間の体の機能を正常に保つために欠くことのできないものです。
ビタミン自体にはカロリーがなく、エネルギー源にはなりませんが、
体内のあらゆる代謝に関与する酵素の働きを助ける補酵素であり、
体に必要なエネルギー源を効率的に使い、体の機能を維持することに大きく関わっているのです。
日本でビタミンというと医薬品と混同してしまうケースが良くありますが、
本来は生きている動植物から得られる成分、つまり食品なのです。
したがって、
動植物が生きるために最も効率の良い形で貯えているビタミンをそのまま、
すなわち天然のまま体に取りいれるのが、リスクがなく、効率的な方法です。
「ビタミン・バイブル」の著者、アール・ミンデル氏は、
天然のビタミンの方が化学合成のものよりはるかに有効であるとの見解を発表しています。
【スポーツ選手に必須のビタミンB群】
スポーツ選手の代謝は一般の人と比べて非常に活発で、その主なエネルギー源はブドウ糖です。
ブドウ糖は代謝過程を経て大量のエネルギーを生み出しています。
このサイクルを円滑に運ぶには数10種の化学反応と、その反応を手助けする酵素が必要です。
また、
アミノ酸や脂肪もエネルギー源になりますが、これに対して働く酵素も必要です。
そして、
その酵素を活性化するための補酵素として、
ビタミンB群が重要な働きをしているのです。
したがって、
どれほど食品を食べていても、
こうしたビタミンが不足していてはエネルギー生産は円滑に行われません。
それどころか貯蔵エネルギー源として脂肪に転換されてしまうのです。
これが疲労感があって、
エネルギー不足を感じていながらも体脂肪が増えてしまうという悪循環のパターンです。
体内ではアミノ酸を他のアミノ酸や糖質、脂質から合成したり、
逆にアミノ酸を糖質や脂質に転換するという代謝が行われていますが、
そのほとんどはビタミンB6を補酵素とする酵素が関与しています。
したがって、
たんぱく質を多くとる場合はビタミンB6も増やす必要があります。
たんぱく質を大量にとるとその消化には多量のエネルギーを必要としますが、
ビタミンB6が不足しているとたんぱく質をとっていながら筋肉などの合成まで至らず、
いたずらにエネルギーだけを消費してしまうこともあるのです。
こうしたビタミンB群は水溶性で、熱に弱いものもあります。
食品からとる場合に所要量だけに注目して食品を選んでも、
その鮮度、調理法、食べるまでの時間、ほかの食品との組み合わせ、
消化吸収の度合いによって利用効率が大きく異なってきます。
また、
ビタミンB群は相互に助け合って働いているため、
どれか一つを多くとるとほかのB群の不足を引き起こします。
このように運動によって大量のエネルギーを必要とするスポーツ選手にとって
ビタミンB群は不可欠のもので、
それを複合体(ビタミンBコンプレックス)のサプリメントで
とることが必要です。
【細胞の老化を防ぐ抗酸化ビタミンA、C、E】
食物の脂肪が酸化していやなにおいや苦みが出たりするのと同様に、
体内の脂肪も酸化して過酸化脂質に変わることがあります。
ほとんどの植物油にビタミンEが添加されているのは、
ビタミンE自体の効果を活かすというよりも油の酸化を防ぐことが第一の目的です。
スポーツ選手は激しい運動の下で大量の酸素を取り込むため、
体の酸化を進める活性酸素の発生率も高くなります。
また、摂取カロリーが多い選手は脂肪の占める割合が高くなりがちです。
そのため活性酸素の弊害として、一般の人以上に過酸化脂質が発生しやすいといえます。
活性酸素による細胞の老化で発生するたんぱく質の老廃物が組織にたまり、
組織の機能に障害が出たり、ビタミンA、Eの不足が心疾患のリスク・ファクターになるともいわれています。
活性酸素の弊害から身を守るためには、
非常に活発な動きで細胞をいためる活性酸素を封じ込める働きを持った
ビタミンA、C、E、ベータ・カロチン、フラボノイドをとると効果的です。
また、活性酸素を分解するスーパーオキサイド・ジスムターゼという酵素には
銅と亜鉛を含むものとマンガンを含むものがあり、
カタラーゼという酵素にはセレニウムが含まれています。
人間の体の中ではこうした酵素、ミネラル、ビタミンA、C、Eが協力合って、
活性酸素による体の酸化を抑えているのです。
運動により大量の酸素を取り込み、脂肪にかたよりがちな食事をし、
血液中にたんぱくの代謝産物が多く見られるスポーツ選手は、
ビタミンA、C、Eの摂取が必要です。