サプリメントアドバイザーの児玉晃典です。
今回から成長ホルモンについて話していきましょう。
まずは、成長ホルモンの働きについてです。
成長ホルモンは、
主に脳下垂体前葉のGH分泌細胞という場所から分泌されるホルモンで
主に「成長に関する作用」と、「代謝をコントロールする作用」の二つがあります。
詳しく見ていくと、
1.身長を伸ばす
幼児期から成長期にかけては、
生涯の中でも成長ホルモンの分泌が特に活発に行われル時期です。
成長ホルモンはIGF-1(ソマトメジンC)という成長因子の分泌を促進して、
骨細胞の分裂や増殖を促し、身長や骨格が成長していきます。
成長ホルモンは成長期が終わると、分泌量が減り始めます。
また、ほとんどの場合、身長を伸ばす効果も成長期以降は失われます。
つまり、
身長を伸ばすには、
成長期に多くの成長ホルモンを分泌させることが重要です。
成長ホルモン以外に、身長を伸ばす作用のあるホルモンとして、
主なものに甲状腺ホルモンやエストロゲンがあります。
2.疲労や怪我からの回復
成長ホルモンには、疲労・破損した体組織を修復・再生する働きがあります。
肉体を酷使した場合(つまり筋肉の疲労)や、身体に怪我を負った場合、
成長ホルモンがその細胞や体組織に働いて、回復させます。
3.病気への抵抗力、生活習慣病の予防
成長ホルモンは、体組織の修復・再生をする働きがあるため、
体を修復し、体力を回復させることで、
病原体(菌やウイルス)や病気への抵抗力・免疫力を高める働きがあります。
また、成長ホルモンの分泌が盛んな睡眠中は、
同時に睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されており、
メラトニンの抗酸化作用とNK細胞の活性作用などにより、
免疫力の強化と生活習慣病の予防にも繋がります。
4.美肌、アンチエイジング
成長ホルモンには、
体の様々な組織の修復・再生をする働きがありますが、肌もその一つです。
成長ホルモンは、睡眠中に肌の新陳代謝を活発化させたり、
血行を良くして肌の老廃物を取り除いたりしてくれるため、
肌がスムーズにターンオーバーするためにも、
美肌やアンチエイジング、シミやシワの防止のためにも、成長ホルモンの分泌は必要不可欠です。
5.脂肪を分解する
太りやすさには日々の運動量や基礎代謝量も関係していますが、
成長ホルモンの分泌量も大きく関係しています。
成長ホルモンは、体組織の修復・維持をする際に、
体脂肪を分解して血中に放出します。
分解され血中に放出された脂肪は遊離脂肪酸と言われ、
エネルギー源として利用されます。
6.髪の毛の発育
成長ホルモンが再生させる体組織の一つとして、髪の毛も該当します。
身体の各組織のうち、生命を維持する上で、
より重要な役割を担っているのは、脳や内臓組織です。
そのため、一般的にはそうした重要な組織ほど、
成長ホルモンによって修復・再生されやすく、
髪の毛や肌、爪などのは後回しになりやすい場所です。
つまり、
成長ホルモンの分泌が不足すれば、
真っ先に影響を受けやすい部位でもあります。
抜け毛の原因は、遺伝や男性ホルモンの多寡、栄養不足や加齢など、
様々な原因がありますが、成長ホルモンの不足も原因の一つと考えられています。
成長ホルモンの働きを簡単に表すと、
成長ホルモンは人体の様々な機能を正常に保つ働き
(体内時計の維持、病気への抵抗力、細胞組織の再生、筋肉の再生、など)を
しているということです。