スポーツ貧血の予防には

サプリメントアドバイザーの児玉晃典です。

本日は
貧血と予防策について見ていきましょう。

【アスリートに多いスポーツ貧血】

スポーツ貧血
アスリートの多くは、実はスポーツ貧血に苦しんでいます。

ヘモグロビン

貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度が基準値以下になることです。

貧血データ値

筋肉など全身各組織への酸素の運搬能力が低下し、持久力が低下します。

さらに、
身体が冷えやすくなったり、エネルギー産生能力が低下したり、
血中乳酸濃度が増加したりするといった症状が起きます。

激しい運動をすることで起こるスポーツ貧血の原因には、

①食事からの鉄摂取量の不足

鉄分不足

②消化管出血や血尿
③繰り返される衝撃と激しい運動に伴う赤血球膜の血管内破裂(溶血)
④循環血漿量の増大による希釈性貧血(見せかけの貧血)
⑤汗からの鉄の喪失

などがあると考えられます。

貧血の原因
原因は一つではなく、複数の条件が重なって起きています。

【ビタミンCで鉄の吸収率アップ】

食品の鉄には、吸収されやすいものとされにくいものがあります。

動物性の食品に含まれている鉄はヘム鉄、
植物性の食品に含まれている鉄は非ヘム鉄の形で存在します。

ヘム鉄と非ヘム鉄

植物性の食品に比べ動物性の食品のほうが鉄は多く吸収率も高いですが、動物性食品ばかりでは偏ったものになります。

ビタミンCは鉄の吸収をよくするので、食後に果物を食べると、
植物性食品の鉄が吸収しやすくなります。

ビタミンC

一方で、お茶の渋みの成分であるタンニンや、
加工されていない全粒穀物製品に含まれる

フィチン酸は、鉄と結合して鉄の吸収を阻害します。

鉄の吸収率

一般の人なら問題ない量ですが、スポーツ貧血の治療や予防をしている人は、
食前食後の3時間はお茶類は飲まないほうがいいでしょう。

【汗のかきすぎは鉄不足の原因に】

鉄は、汗によっても損失する。

アスリートの中には、ウェアを着込んでトレーニングしたり、
サウナに入って大汗をかいたりして減量しようとする人がいるが、
これではいつまでたっても貧血は改善しません。

必要以上に汗をかこうとするのはやめましょう。

【休養による貧血の改善と予防】

食事以外では、早く寝る、よく寝ることも貧血の改善・予防となります。

成長ホルモンの分泌が増すよる10時には床に就き、
就寝中の身体の修復機能を最大限に利用しましょう。

また、貧血の症状が重くなると、少ない運動量であっても
トレーニングをしながら回復させるのが難しくなります。

早く確実に回復させるためには、完全休養することがベストです。

何れにしても、貧血は競技に直結する問題です。

一度貧血になった場合は、アスリートでいる間は常に貧血対策が必要になります。

貧血改善の経過観察と予防のために、定期的な血液検査をお勧めします。